【災害対策グッズ】和歌山市北部が1週間断水…備えておいて良かった事や生活のいろいろ

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2021年10月3日、紀の川にかかる和歌山市北部に水道水を送水する唯一の水管橋が崩落しました。その結果、和歌山市北部では断水が発生し、和歌山市内だけでなく近隣の市のスーパーなどで水が売り切れ状態となり、自衛隊や近畿地方をはじめとした各地の市町村の水道局、国土交通省地方整備局の応援をうけながら、各地に給水所が設けられました。
仮設の水道管が和歌山県道141号・六十谷橋に設置され、2021年10月9日から送水がはじまり、少しずつ断水は解消に向かっていってる状態です。

和歌山市北部に住んでいる私が、この断水騒ぎを経験して感じた備えておいて良かった事などを今後に活かすためにまとめました。

断水の時に備えておいて良かった事

2016年の熊本地震の頃から、飲料水2〜3日分と給水バッグ、簡易トイレ用凝固剤、水のいらないシャンプーなどを、他の防災用品(救急セットやエマージェンシーシートなど)とあわせて備えていました。
そのため、断水となることが市から発表された際にも、飲料水確保などで慌てる事なく対応でき、私が仕事に出ている間も家族が各アイテムを有効的に利用してくれました。
あわせて以下のような知識をあらかじめ得ていたのも、うまく対応するのに役立ちました。

  • 地震などの災害時にはお風呂に水を貯めておく
  • お皿にサランラップをかけ、洗わなくても何度も利用できるようにする
  • ペットボトルのキャップに穴をあけ、シャワーがわりにする

なお、ペットボトルのキャップに穴をあけたシャワーは正直微妙な出来となったので、100均などで売っているペットボトルジョウロ用のキャップで代用するほうがよさそうでした。

備えておいた物に関する反省点

給水バッグはあったのですが、20L前後入る大型の水用ポリタンクを用意していなかったのは反省点です。給水バッグだと何回か使っているうちに破けてしまうといったことがあり、手洗いなどに使う水を多く確保しておくという意味でも、大型の水用ポリタンクは「(重いですが)何個か準備しておけば良かったな」と感じました。
※今回は親戚にポリタンクを買ってきてもらいました。

また、防災用品として備えていたウェットティッシュが乾燥してしまっていたなどの問題もあり、引き続き防災用品の拡充をはかりたいところです。

断水の時の生活

断水の時の生活を時系列順にまとめました。

断水0日目(10月3日)

和歌山市の防災放送で「断水のお知らせ」が流れたのが、10月3日の20時頃。数時間前にTwitterで六十谷の水管橋が崩落したことは知っていたのですが、防災放送が流れるまでは「どこか別のルート使って送水になるんだろうな…」と思っていただけに、少々驚きました。
夕食の合間にお風呂に水を貯めることにしたのですが、濁った水が出てきました。その水も少し経つと出てこなくなり、本格的な断水がはじまりました。
この日は週末の楽しみであるサウナにいってきた後だったので、シャワーを浴びずに寝ました。

濁った水
お風呂に水を貯める際に出てきた濁った水

歯磨きシート
断水期間前半にお世話になった歯磨きシート

断水1日目〜5日目(10月4日〜10月8日)

断水1日目の10月4日から和歌山市北部の各小学校に給水車が出て、給水場が開設されるということで家族が水の確保に朝から出ました。
私もテレワークなどで対応したかったのですが、社内でいろいろとトラブルがあり出勤することになりました。断水より社内のトラブルに関する発表の方が精神的にきつい日で、適当に仕事をこなして帰宅時に飲料水の追加分を確保にまわりました。
この日は水のいらないシャンプーと身体をふくための大判なウェットティッシュでお風呂をすませました。

断水2日目から5日目までは、同じく和歌山市北部に住んでいる同僚と情報共有をおこないつつ、適当に仕事をこなす日々をすごしました。
親戚などの協力で飲料水は早い段階で充分な量を確保でき、手洗いなどに使う水の方も同じようにめどがつきました。
水のいらないシャンプーだと少しベタつきなどが気になったので、2日目以降は水の確保のめどもたったので2Lペットボトル2本のお湯を用いて、髪と身体を普段通り洗いました。身長165cmで短髪の私の場合、髪と身体を洗うのには、2Lペットボトル2本でちょうどぐらいでした。

この間、朝食はinゼリーなどを食べ、昼食は会社近くで弁当、夕食は牛丼やスーパーの惣菜などがメインでした。サラダなどはお皿にサランラップをかけて、その上にのせて食べました。
5日目のみ夕食は会社の同僚と焼肉を食べに行き、いろいろあって疲れた身体を癒しました。

ペットボトルシャワー
断水期間中に髪を洗ったりするのに使用したペットボトルシャワー
ちなみに、会社の同僚には市南部の銭湯に行った人もいましたが、とんでもなく混雑してたそうで入るまでにだいぶ時間がかかったとのことです。

飲料水
いろいろな人が届けてくれた飲料水

断水6日目(10月9日)

前日の10月8日の夜に仮設の水道管が完成し、送水が10月6日の朝からはじまりました。
最初のうちはちょろちょろしかでなかった水も、多少にごりはありますが時間を追うごとに断水前のように出るようになり、なんとか一安心しました。
節水を心がけつつ、この日はペットボトルシャワーをやめて通常のシャワーで髪と身体を洗いました。あわせてトイレもバケツで流していたのをやめ、通常通りの使い方にすることにしました。

洗濯については濁り具合がだいぶマシになったとは言え、ひとまず様子見することになったので、約1週間ほどの洗濯物が溜まった状態のままとなっていました。

ちなみに、地域によっては夕方になっても、まだ水が出ていないところもあった模様です。

崩落した六十谷水管橋
崩落した六十谷水管橋
週末のサイクリングがてら六十谷橋付近へ行った際に撮影した六十谷水管橋

六十谷橋に仮設された水道管
六十谷橋に仮設された水道管
六十谷橋に仮設された水道管
よく渋滞する六十谷が通行止めになった影響で、紀の川大堰管理橋も混み気味でした。

今回の断水で感じた事

今回の断水で感じたことはいろいろありますが、まずは「人に助けてもらうありがたさ」をすごく感じました。災害派遣の自衛隊をはじめ、近畿地方だけでなく全国各地から応援にきている水道局、六十谷橋ヘ仮設水道管を敷設するため24時間体制で作業にあたった建設関連、あとは物流関係や親戚、友人、会社の同僚、Twitterのフォロワーさん…
災害時は「人の助け」を本当に感じます。「次に何かあったときはこちらが助ける番」と思う次第です。

季節的なことを言えば、少し涼しくなり新型コロナウイルスの感染拡大も抑まり気味のこの時期だったからまだ良かったものの、これが真夏に発生していたと考えると恐ろしいです。

和歌山市の広報について

正直なところ、防災放送は聞き取りにくく「なんか言ってるな?」と感じたら、登録してある防災情報メールを見て内容を把握すると言った感じでした。

あとは逐次Twitterの和歌山市役所のアカウントのチェックで、現在の状況を把握していました。
私のように普段からITに親しんでいるものにとっては、情報は得易かったのですがそうでない方にとってはなかなか難しいところもあったのではないかと思います。

広報に関しての問題として一つあげるとすると、水管橋が崩落してから断水になるまでの間に特に広報がなく、いきなり断水になった感があったことでしょうか。
もう少し早めに何かしらの広報があれば、良かったと感じます。

個人的には職業柄、このサイトがどのような仕組みで運用されたのか気になるところです。
https://map.water-station.info/

水道というインフラについて改めて思うこと

まさか和歌山市北部に送水している水道管が1系統だけだったとは…」というのが正直なところで、バックアップもなく「点検をしていた」とはいうものの、橋自体に劣化している箇所が多々見つかったのは「どうなってるの!?」と思うところです。

各地の水道をはじめとしたインフラの更新がなかなか進まない現状にあるというのは、知識として少し知ってはいましたが、どこか遠い世界の話のような印象でした。

和歌山市は昨年にも市南部で断水騒ぎがあったばかりで、このときは結局断水せずに水道管の補修で事態は収拾しました。今回もどこか楽観的に思っているところがあったのが私個人の反省点です。

税金にうるさい昨今の社会情勢で、行政予算も厳しくなり、あわせて公務員の数も減らされていってます。それが美徳のように持て囃されていますが、果たしてそれがいいのでしょうか…
災害時に大事な余裕をどんどん削っていってるだけなのでは…」と感じるとこもあり、インフラのあり方については一人一人がしっかりと考えないといけないと今回感じました。


以上が、私個人の今回の断水に関する簡単なまとめです。
皆さんお疲れ様でした。